秋の宿泊研修

 今年の秋の宿泊研修は12月2日(水)、3日(木)の1泊2日で行われました。
 研修目的は1日目に自宅から1人で決められた時間に集合場所の浅草駅に到着する事と団体行動で浅草の街のバリアフリーチェックでした。 参加メンバーは事前にインターネットを使って各自で自宅から交通機関を時刻表で調べ、午前10時までに到着する予定で計画しました。メンバーの中には事前に予行練習で一度浅草まで行き、当日も朝6時頃自宅を出発して浅草駅に9時前に到着した人もいました。よっぽど楽しみにしていて待ちきれなかったのかもしれません。
 メンバーのみんなは電車に乗る時間と乗り継ぎの時間行程表、到着時間を事前に作って準備しましたがほとんどのメンバーは横浜駅で京浜急行に乗換えました。 
 車いすのメンバーは、混雑している横浜駅でエレベーターを4回も乗り換えて30分以上かかったそうです
 それぞれが初めての経験で一生懸命電車に乗りなんとか1人も欠けることなく無事に全員集合できて午前10時過ぎには浅草駅をスタートしました。
 バリアフリーチェックはメンバー全員を4班のグループに分けて、集合時間の午後2時まで食事をはさみグループ毎の自由行動になりました。2ヶ所だけ幹事から推薦のあったチェックポイントの浅草神社と江戸下町伝統工芸館を見学し、他は各グループの判断でバリアフリーチェックを行いました。
 浅草といえばやはり仲見世から浅草寺へ!ほとんどのグループが一番楽しみにしていたこのルートを廻ったようでした。
 仲見世では、商店の陳列棚が高くて車椅子では商品が見えにくかったのとほとんどの商店の間口が狭いうえに通路に商品が置いてあるため、奥の商品が見たくても中に入れませんでした。
 商店街のせんべい屋さんで親切な店員さんに車椅子で入れる食べもの屋さんを教えてもらいました。
今年入所した女の子は、お昼ごはんに釜飯を食べたそうですが、お店の入口に階段があって入れないとあきらめかけていたときお店の人たちが車椅子ごと持ち上げて店内へ誘導してくれたようでした。車椅子ごと持ち上げられて少しこわかったけど下町の人情に感動したそうです。苦労してありついた釜飯は一段とおいしかったようです。
 また江戸下町伝統工芸館では、階段に沿って昇降機があり2階も見学することができました。
昇降機は、まるで花やしきのジェットコースターのようでスリルを満喫し、みんな楽しんだようでした。リモコンを使って自分で動かせればもっとおもしろかったのにと感想を漏らしていました。
 今回のグループ分けは車椅子の人と歩ける人の混合グループだったので歩ける人には気づかないところも車椅子の人と一緒に行動して車椅子での外出の大変さを知ることができてメンバー同士の交流が出来て良かったようでした。
帰りは、今度は全員で地下鉄を利用して地元にもどってきましたが、地下鉄の三田駅の乗換えの時は駅員さんが何人も出てきてくれて一度外に出て案内をしてくれました。駅員さんの後ろをみんなではぐれないように一生懸命くっついていく様子はまるで「カルガモ」親子の行進のようだったと思います。駅員さんのやさしい対応はメンバーのみんなをあったかい気持ちにさせてくれました。
 宿泊は、何年か前の宿泊研修で泊ったことのあるあゆみ荘だったので安心して利用することができました。
 2日目の午前中は宿泊したあゆみ荘の会議室を借りて前日のバリアフリーチェックの結果を各班毎に発表してまとめました。メンバーにとっては普段人前で話をする機会が少ないのですがバリアフリーのチェックリストを基に自分たちのグループの感想や意見を発表しました。
 今回の宿泊研修を通して、浅草は有数の観光地ということもあって歴史のある古い街のわりには歩道の縁石の段差も低くて車椅子で移動しやすい街で車椅子でも楽しめるものの、段差がまだ少し残されていたり改善の余地が残されているのに気がつきました。そのかわりに、出会った町の人達が私達障害者にもやさしく接してくれて嬉しかった宿泊研修でした。

雷門画像
雷門
浅草神社画像
浅草神社
江戸下町伝統工芸館画像
江戸下町伝統工芸館

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